「A PRAIRIE HOME COMPANION」
「今宵、フィッツジェラルド劇場で」アカデミーの監督賞に5回ノミネート、受賞歴はナシ。
でも「M★A★S★H」でカンヌのパルムドール、
「ショートカッツ」でヴェネチアの金獅子賞を獲るなど、
そっちの方がハリウッドの異端児アルトマンらしい気がします。
ようやく、2006年に
長年の功績を讃えて名誉賞をアカデーミー協会から名誉賞を与えられましたが、
残念な事に、昨年11月に亡くなったので、
これが遺作となってしまいました。
とくに、彼のアンサンブル・スタイルの群像劇は
まるで舞台を観ているような、
万華鏡の世界が繰り広げられて、
いつのまにか、観ている私自身も登場人物のひとりになってしまったような、
錯覚に陥ります。
「今宵、フィッツジェラルド劇場で」も、
登場人物が行き交う、流れる続けるカメラワーク。
鏡やガラスへの映り込みで、幾重にも像が動き回る。
消え去ろうとしている物への哀愁や、ペーソス。
決して大作ではありませんが、
観た後に、
アルトマンらしい小気味の良い、そして少しいたずらっ子っぽい
集大成映画だったのかもしれない、
と思わせてくれました。
なんて、知ったようなこと書いてますが、
全作観てる訳ではないので、はなし半分に聴いてください。
――老人の死は悲劇ではないと告げる天使のことばが、
そのままアルトマンに捧げることばになっているのも、
不思議な巡り合わせ。
まるで、予感があったようにさえ思えます。
- 2007.03.14 |
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